新年のごあいさつ
(公財)兵庫県身体障害者福祉協会
理事長 木 村 佳 史
新年あけましておめでとうございます。
今年の干支は、成長と結実の年とされる「乙巳(きのとみ)」です。
皆様には、この麗しき年の初めを健やかにお迎えのこととお慶び申し上げます。
昨年は「パリ・パラリンピック」が開催され、我が国をはじめとする世界各国のパラリンピアンの素晴らしい活躍に多くの人が心躍らせました。そして今年11月には、世界の約80カ国・地域から聴覚に障害のあるアスリートが我が国に集う「東京2025デフリンピック」が開催されます。近年、とりわけ注目を集めることの多くなってきた障害者スポーツですが、こういった大会を機に更に参加者やファンが増え、発展していくことを心から期待しています。
少し歴史の話になりますが、「普通選挙法」が成立したのは今からちょうど100年前の1925年(大正14年)です。これによって、それまでは高額納税者の男性だけに制限されていた選挙権が満25歳以上のすべての成年男性に与えられることとなった訳ですが、その一方で女性に選挙権が与えられたのは終戦を挟んだ昭和20年の法改正ですので、その後20年を待たなければなりませんでした。
そして戦後80年を経た我が国は、経済指標では最盛期の勢いを少々失っているものの、「自由と平等」を理念に掲げる民主国家としての地歩を着実に固めつつあると思います。「自由と平等」、言い換えると「障害のある人もない人も、互いにその人らしさを認め合いながら共に生きる共生社会」そのものです。
現状はまだ十分とは言えませんが、これらは先人のたゆみない努力と英知の結晶であり、常に怠らず真摯に取り組んだことが100年の歩みにつながったことを忘れてはいけません。その延長線上に現在の「障害者基本法」、「障害者総合支援法」、「障害者雇用促進法」などの障害者に関する法律の整備もあります。
当協会としても、これからも県や市町、関係団体の皆様と力を合わせ、主張すべきことをしっかり発信しながら障害者福祉の一層の向上に取り組んでまいります。
今年一年が穏やかで幸多い一年となりますように。