令和6年度災害時要援護者支援研修会・兵庫県身体障害者相談員研修会 実施報告
1 日時 令和6年度9月3日(火) 13:30~15:30
2 場所 兵庫県福祉センター 多目的ホール
3 主催 公益財団法人 兵庫県身体障害者福祉協会
4 参加者 206名(うち講師2名、手話通訳3名、要約筆記4名、職員6名)
5 概要
令和6年9月3日(火)兵庫県福祉センターにおいて、第一部「災害時要援護者支援研修会」、第二部「身体障害者相談員研修会」を開催しました。
年に一度、県内の身体障害者相談員の方々が一堂に集う研修会であり、今年はオンライン配信も取り入れたことで、県内34市町から計191名と多くの身体障害者相談員と介助者、市職員等にご参加いただきました。
一部、二部ともに深くうなずきながら受講される身体障害者相談員の皆様の姿が見られ、相談員として必要な知識を習得し、今後の活動への意欲を高めることができる研修会となりました。
【第一部 災害時要援護者支援研修会】
講師:日本赤十字社兵庫県支部事業部救護課講習係 北村幸司氏
演題:「赤十字防災セミナー(地震編)」
〈講演の概要〉
日本は地震が多い国で、近年は台風や大雨による土砂災害も毎年発生しています。
今まで経験したことのないような災害が起こることに備えて、自助、共助の力を高めることが重要です。
自助の力を高めるために、災害から命を守り、暮らしを繋ぐ備えを実行してください。
共助の力を高めるために、まず共助の担い手となる自分自身と家族の命を守ってください。
そして、自分自身と家族だけでは成り立たない暮らしを繋ぐため、皆で協力できる関係を日頃から地域に持つようにしてください。
災害から命を守った後、被災した人たちは、衣食住が十分でない中、互いに協力しながら乗り切ることになります。
あまりにも大きな生活の変化の中、親しい人の安否が確認できないことや、水・食料がないことは、精神的に大きな苦しみになりますので、災害用伝言サービスの事前確認とローリングストック法を用いての食料備蓄、簡易トイレの用意をしておきましょう。
また、非常持ち出し品については、それぞれ生活に絶対必要なものが違うので、非常持ち出し品リストを参考にして、必ず自分で準備するようにしてください。
また、避難所ではどうしても感染リスクが高まることを認識しておいてください。
ぜひ積極的な姿勢で自助、共助に取り組んでいただきたいと思います
【第二部 兵庫県身体障害者相談員研修会】
講師:兵庫県福祉部ユニバーサル推進課手話通訳士 楠圭子氏
演題:「合理的配慮と聞こえない・聞こえにくい方への相談支援」
〈講演の概要〉
聴覚障害は外見からわかりにくいため、必要な支援が周りの人にわかりにくい障害です。今回は相談支援の際に知っておいていただきたい聴覚障害の特性と必要な合理的配慮についてお話しを聞きました。
耳が聞こえる人は身の回りの音や会話などから多くの情報を受け取っています。そして、それを活用して判断したり行動したりすることができます。耳が聞こえない・聞こえにくいと、このような周りの音声情報を得ることができず(情報障害)、自分で判断して、適切に行動することが難しくなります。また、自由に周りの人と音声でコミュニケーションをすることが困難です(コミュニケーション障害)。このふたつの障害特性から、耳が聞こえる人が大多数を占める社会の中で非常に社会参加しにくい状況におかれています。たとえば、声をかけられても気づかないため失礼な人だと誤解されたり、周りの人との会話に入れなくて孤独感や疎外感を感じたりすることが多くなります。職場や地域だけではなく、家族の中でもこのようなことは起こります。
聴覚障害者の悩みは、耳が聞こえない・聞こえにくいことが深くかかわっていることが多く、それは、自分で努力するだけでは解決できないものを含んでいます。
聴覚障害者は相手の表情や口形から話の内容を推測して聞いていまので、相談の際にはその方の方をちゃんと見てお話ししてください。メモを取りながら、マスクをしながらの会話は表情が見えないため、信頼関係を築くことが難しくなります。そして、相談中の会話は筆談を交えながらゆっくりはっきりと進めてください。
耳が聞こえないと乳幼児期に音声言語を自然に身につけることが難しいため、筆談だけでは自分の悩みをうまく伝えられない方もおられます。手話を必要とする方も一定数おられるということを覚えておいてください。もし、手話での対応や聴覚障害に対する専門性が必要だと判断された場合は、兵庫県聴覚情報センターをご紹介ください。
参考:兵庫県リーフレット「聞くこと、工夫することからはじめる~合理的配慮とは~」
当日の様子
情報保障席
北村講師
楠講師